ベトナムで進めている「コーヒープロジェクト」の第一報となる論文が、Frontiers in Microbiology (Impact factor 5.8) に受理されました。
この研究では、私はサンプリングやデータ解析、論文作成に寄与し、ベトナムの共同研究者のChamさんとともに、共同第1著者(Co-first author)として投稿を行いました。
2024年に、市橋チームディレクターの声かけにより、現地(ベトナムのGia Lai省)を訪問してサンプリングを実施したことが、私が関わるきっかけになった研究です。
採取した根圏土壌とコーヒーの生の果実を対象にマイクロバイオーム解析を行った結果、観測された分類群のおよそ30%(相対存在量では90%近く)が、根圏土壌と果実マイクロバイオームの間で共通していることを明らかにしました。
共通する分類群の中には、収穫後に行われる発酵プロセスにおいて活躍する乳酸菌も含まれていました。また異なる栽培法で管理された農園間で比較を行った結果、マイクロバイオームの組成が農園ごとに異なることもわかりました。
これらの結果は、コーヒーの生育環境が変化すると、環境マイクロバイオームと果実のマイクロバイオームのリンクを介して、コーヒーの発酵に関わる微生物が変化する可能性を示唆しています。さらなる研究への期待が大きくなり、現在は発酵プロセスに関わる微生物の変化の詳細な分析を進めています。